2022.08.31

つねづね草 ~元校長のひとり言~

 旭出学園は夏季休業に入ると同時に、専攻科新校舎建設のための整備が始まりました。まずは美術室として使用していた6号館と防災倉庫が取り壊されました。8月22日には、専攻科卒業生から就職先の話などを聞く「卒業生進路講演会」が行われ、3名の卒業生が来校してくれました。7号館に向かう途中、フェンス越しに取り壊し作業が見えると、「壊しちゃうんだ!」「美術室はなくなるんですか。」などなど呟きながら立ち止まって工事の様子を見ていました。覚えている学校の風景が消えてしまうことには、やはり感じるものがあるのでしょう。二日後、桜の老木2本が、クレーン車を使って枝が切り落とされて、残った太い幹にもチェーンソーで切り込みが入れられた様子を見た時には、思い溢れるものがありました。高等部の担任をしていた時には、教室の窓一面が桜で覆われ、屋上で花見をしながら新入生とお弁当を食べるのが、クラス交流の定番になっていました。6号館は、プレハブ造りでしたが、専攻科の教室として使用されていた時期があり、その時期に専攻科の担任をしていました。未だエアコンがつかない頃でしたし、石油ストーブはありましたが、夏はとても暑く、冬はとても寒く、トイレは遠いという状況でした。ワンルームで専攻科の生徒は10人ほどでしたので、狭さは感じませんでしたが不便さはいろいろ目立ちました。見かねた保護者から給湯機を寄付してもらった時のありがたさは今でも覚えています。多目的教室でしたので、作業の時は生徒と一緒に机を並べ換えて、紙工作業室にして染紙を作り、メモ帳や折り紙を作りました。扇風機だけでしたので乾いた紙が飛んでしまうなど、失敗もしながら手立てを工夫しながらやっていました。活動に合わせて配置を変えフル稼働していました。専攻科が1号館の改修後、3教室ができて引越し、美術室として今年度まで使用してきました。

 桜の木々にも、6号館にも思い出が詰まっていたことに気づかされました。時の流れを感じ、哀愁もありますが、それ以上に新校舎建設は45年振りのことですから、これから旭出学園を担う教職員の方々には新校舎建て替え計画の第一歩として、新校舎を充分に生かした教育活動を展開していってほしいと願います。

 さて今回は、8月27日に行われた「夏まつり」のお話です。当日は晴天、今年の夏らしい暑さで、45家庭100人以上の来場者がありました。グランドにテントを設置し、勤労感謝祭のような模擬店が並んだのも3年振りでしょうか。誰かが、「運動会みたいだね。」と言っていましたが、行事らしい会場設営にウキウキ感がありました。各部のお店も盛況の様子でしたし、景品の豪華さに驚きました。これも3年分たまっていたものが放出された様子でした。保護者の会主催のアイスクリーム屋さんは、グッドアイデアだったと思います。引換券は、3人の先生に自己紹介ができたらサインをもらってくるとアイスと交換できるというもので、私も何人かの児童生徒さんに挨拶をしてお名前を聞いて、サインをさせてもらいました。研究所所員と開いた「マカトンビンゴ」のお店にも1回平均8名の児童生徒さんが参加してくれて、マカトンシンボルのマッチングゲームをしてもらいました。引いたカードと同じシンボルをよく見て探し、自分で見つけた時の笑顔がたくさん見られ、楽しんでもらえたので開店してよかったです。3回終了後も、少し時間があり、ソロビンゴをしてくれた方が二人いました。なるほど、一人ビンゴもありかもと思い、こちらも楽しませていただきました。久しぶりに声をかけ合いながら職員のみなさんとテントの片付けができて、最後までお祭り気分を味わい、よい夏の思い出になりました。

祭終え テント片づけ 掛け声に  三年振りの 笑顔あちこち