2018.01.10

抽象画

年が明けましたので、更新を再開します!

昨年、中学部の美術では、描いた絵を校内の色々なところに飾る活動を行いました。用意した画材は、クレヨン、色鉛筆、水彩絵の具、アクリル絵の具など…基底材も画用紙、イラストボード、キャンバスなど、数種類を用意しました。自分に合った画材はどれか、選んでもらおうというねらいです。

何を描くかも自由ですが、やはり自分に合ったものを描いてもらおうと思いました。生徒たちはなぐりがきから、徐々に丸が描けるようになり、顔が描けるようになり…といった、描画の発達過程の真っ最中です。なので、生徒も教員も、「それが何であるか分かる、具体的なものを描ける方が良い」と思いがちです。しかし、ターナーやピカソやモンドリアンは、「本物そっくり」に描けるようになったのちに、だんだん形が崩れて、後年は、何が描いてあるか分からないような抽象的な表現の境地に入り、評価されました。あたかも、本校の生徒が自由にのびのび描いたような表現です。

5時間ほどかけて取り組んだこの授業では、こういった写実的でない表現の名作をスクリーンで毎回紹介し、またポロックの様なアクションペインティングを体験する機会を作ったりして、「具体物を描ける方が素晴らしい」という価値観を崩そうとしました。もちろん、具体物を描きたい生徒は、それでもOKです。絵が完成した後には、角材を組み合わせて着色し、額も作りました。額があると、絵は一段と「作品」としての存在感が増します。

自分で飾りたい場所を決め、最後の時間に飾りつけ…皆のいきいきした絵は、来校者の注目を集めていました。

さて今年は、どんな表現が飛び出すでしょうか?お楽しみに。

(関口光太郎)