2021.09.27

旭出学園教育研究所

 暑かったり、急に涼肌寒くなったり、晴天が続いた後の毎日の雨降り、変化の激しい気候繰り返された9月も終わりを迎えています。秋分の日も過ぎて「暑さ寒さも彼岸まで」となるのか、まだわからない今日この頃ですが、10月9日の運動会に向けた各部の練習も本格的になり、グランドに響く声もにぎやかになっています。今年は同じ日に行いますが、学部ごとの競技種目の発表になります。当日は秋晴れとなりますように、ご一緒に声援を送りたいと思います。

 さて、我が家のヘチマですが、勢いはまだあるのですが、世代交代と言いましょうか、古い葉っぱは枯れ始め、脇から伸びた茎に青々とした葉っぱや花がついています。なかなか実はならない様子でしたが、ついに今週小さく細長いヘチマの実を見つけました。今のところ二つです。いくつ実がなるのか、どの位に大きくなるのか、見守っていきたいと思います。

「旭出学園教育研究所」についてお話したいと思います。研究所は、創立者三木安正先生が一貫して持ち続けた「よい教育実践はよい教育研究から、よい教育研究はよい教育実践から」という信念の下、学園形成の初期に設立(1960)されて以来、学校に在籍する児童・生徒に対してよりよい教育が実践されるように、1)学内支援、2)地域における専門機関、3)特別支援教育の研究機関という、3つの役割を果たすべく、様々な活動に取り組んでいます。
 学内支援の一つとして、本校の卒業生でもあります大泉旭出生産福祉園の利用者への言語リハビリ活動を、月に1回「マカトンクラブ」と称して4年前から開催しています。
 私も当初から卒業生支援の一環として参加させてもらっています。入所施設の喫茶コーナーで5名ほどの利用者さんと、マカトンサインを使いながら、会話のやりとりや手指を使うサインの練習などを通して、脳の活性化や語彙の発展維持に繋げることを目標にしています。喫茶コーナーに居合わせたメンバー以外の利用者さんも時折参加してくれて、大人数になることもあります。コロナ禍においては、人との距離をおかねばならず、写真カードや絵カードの提示の仕方などに工夫が必要になりましたので昨年からは更に2,3人の小グループにして実施しています。みなさんの関心の高い食べ物を題材にすることが多いのですが、季節の食べ物を比べて「どれが好きか?」を答えたり、仲間に質問したりというやりとり、写真や絵を隠して、部分的に開けていって「これは何でしょう?」を当てるクイズ等をしています。ことばや声は出にくくなっても、しっかり指さしで答えることや手の形を模倣しようとする力は健在ですので、黄色=きつねの「き」の指文字を形作る練習をして親指と仲か指をくっつけることができた時には「できたね。」と一緒にうれしくなりました。手指を使うことは脳の活性化に役立つと言われていますし、サインを覚え、声を出すことはリハビリの一つと実感しています。一緒に年をとっていく仲間たちですので喜びも共有できればお互いに幸せです。学校時代に一緒に活動した彼らとまた交流ができることは喜びです。

 急速に激減したコロナ感染者数も、ワクチン接種が進んだことが大きく関わってはいると思いますが、急なだけに不安も感じたりします。また急に増加するのではないかと。いずれにせよ、三密を避け、手洗い、マスクの生活はこれからも継続していかなければなりません。今後とも感染予防に努めてまいりましょう。

昔はね できたことでも できなくて できたら香る 金木犀の「き」

 

                            2021.9.27