3月14日、今年の東京都での開花宣言が出ました。例年より1週間ほど早く、これまで最も早い記録と同じになったそうです。かつては入学式の象徴が満開の桜でしたが、今や卒業式の景色に桜の花が入り込むようになりました。地球温暖化を実感します。20日には、旭出学園の卒業式が行われます。小学部、中学部は学部毎に、高等部と専攻科は合同です。
学園を巣立つ卒業生のみなさんには、新しい生活に不安もあると思いますが、いつもの通り生活のリズムを整えて、目の前の一つ一つのやるべきことに向き合ってください。その一歩ずつの足跡があなたの自信になり、毎日が楽しくなることを願っています。
学園を離れる教職員のみなさんのお名前を聞いた時は正直さみしい気持ちでいっぱいになりました。校長職に就いてから新任として入職されたみなさんでしたので、あなた方の教員としての成長は私の喜びでもありました。あなた方の頑張りに支えられた日々でした。ありがとう。旭出で得たもの、子どもたちや保護者との関わりで得たものが、きっとこれからも原点になり、進む道を照らしてくれると思います。新たな場所でのご活躍を祈っています。
過日、11年前に専攻科で二十歳を迎えた卒業生の集まりに声をかけてもらいました。成人を記念して、グランドの片隅に埋めた「タイムカプセルを開けよう」という集まりでした。本当は10年後の昨年に行う予定でしたが、コロナ禍で延期していました。11年前の指導案が残っていて、当時の進行役だった卒業生のあいさつで会が始まりました。体調や予定が合わずに不参加の方もいましたが、5名の卒業生と担任だった旧職員も参加して、当時専攻科にいた現職5名と保護者も加わり、ロータリー側のサッカーゴールの後ろ、5本のヒマラヤスギの間という記憶のもとに、タイムカプセルを掘り出す作業が始まりました。大体この辺りという場所から掘り進みました。すぐに出てくるという見込みは期待外れとなり、反省が口々に出始めました。「場所を記録していなかったのか。」「写真は無いのか。」「本当にここなのか。」保存されている写真データには見当たらずでした。2時から始めて4時近く、掘れる所は全部掘り終え、「どうしよう」とみんなが思い出した頃、これは人力では無理かも、ということになり、T先生が「交渉してきます。」と、現在道路工事をされている工事責任者の方に相談したところ、シャベルカーで掘ることを引き受けていただきました。掘り返したところももう一度さらって「やっぱり出ないか」と諦めたところでの一掘り、蜜柑の苗木を持ち上げたところで「カツッ」と音がして、出ました!ボロボロに錆びた缶が!10年後の自分へのメッセージや写真などがビニール袋に入っていました。苗木は5年ほど前に小学部の庭から移植されたそうで、まさかその下にあったとは。そこだけは掘れていなかったのです。工事の方々も喜んでくれてみんなで拍手喝采でした。カプセルが出てきてほっとして、程よいやりきった感で「元気でね」「またね」と解散しました。いつかこのメンバーで会う機会があれば、今日の苦労話が心のタイムカプセルからパタパタ飛び出すのでしょうね。
シャベル持ち タイムカプセル 掘り出そう 出る出る思い出 あの日あの時