ご挨拶

 

  • 学校法人旭出学園 理事長

    学校法人旭出学園 理事長
    上野 一彦

  •  この度、徳川恒孝理事長の後任として理事長職をお引き受けすることになりました。

     1950年三木安正先生によって目白の徳川邸に開園した旭出学園が、現在の東大泉にすべて移転したのが1964年頃だったと思います。その頃、私は東京大学で三木先生の指導学生となり、1967年に大学院に進学したあたりから旭出学園に出入りするようになりました。

     それ以来三木先生の傍で、生涯教育の名のもとに「卒業のない学校」として、富士旭出厚生園や旭出生産福祉園、大利根旭出福祉園など、先生の夢が次々と実現されていく時代を経験いたしました。1984年に先生がご逝去された後も旭出学園にとどまり、1992年まで足掛け25年もの長い間お世話になりました。

     特殊教育から特別支援教育へ、21世紀の激動する社会情勢の中で、子供たちを取り巻く教育環境も大きく変化いたしております。三木先生がよく語っておられた「私立学校と公立学校」が共存する意味もまた変わってきています。保護者や教育に当たる先生方と共に、今日三木先生が生きておられたらどのような夢を描かれるのか、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

     私自身、姉弟に障害のある家族がおりました。そのことが私と三木先生をつないだご縁ともなったのですが、障害のある子を持った親御さんの、子供よりも一日でも長く生きなければといった本音や覚悟、兄弟姉妹のさまざまな思いの一端も、家族を通して経験してまいりました。

     私は発達臨床心理学を学び、教える立場にあったものとして、人を障害者と健常者という二群に分けてしまう考え方から、さまざまな育ち、さまざまな支援を必要とする連続した存在として捉えたいという考えを強く持っています。そうした理念もまた皆さんと共有していけたらという思いもあります。子供と保護者と先生方と明日の学園を創っていくために私なりに最後の力をかけてみたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

ようこそ旭出学園へ

  • 旭出学園(特別支援学校)校長 岡 田 馨

    旭出学園(特別支援学校)
    校長 慶野 直美

  • 令和3年より、校長に就任いたしました。旭出に通ってくる子どもたち、そして卒業していったみなさんにとって、大好きな学校であり続けられるように、精一杯努めていきたいと思います。みなさまのお力添えをどうぞよろしくお願い申し上げます。

     私は、創立者「三木安正先生」から薫陶を受けた方々に育てられた校長となります。本校は、三木先生の考えられた子どもたちに対する思いや考えを引き継いで取り組んでまいりました。三木先生が亡くなられてから30年以上たっておりますが、教育に対する三木先生の考えは全く色あせることはありません。三木先生とのエピソードを諸先生方からうかがうたびに、お考えやお話しをぜひ直接伺いたかったなあ、と思います。三木先生の教えを諸先輩方、三木先生の残された書物などから学び、継承していきたいと考えています。

     本校は、私立の特別支援学校として独自の教育を進めています。

     実際の日々の生活を通し、その生活ができるようにする『生活教育』、自分のもっている力を仕事で十分発揮させ、適切な評価を受けることで自信を持ち、その結果何事にも目標に向かって努力しようという自覚を持たせる『生産教育』、社会参加と自立を目指し、生涯にわたり学びの支援をする『生涯教育』、これら3つを指導の柱としています。

     学部は幼稚部小学部、中学部、高等部、高等部専攻科を設置し、5歳から21歳まで最長16年間在籍することができ、一貫教育に取り組んでいます。

     また、将来に向け、家族から離れた場所でも生活できることを目指し、数週間にわたる入寮体験を行う「生活自立寮」があること、言語聴覚士や臨床心理士の資格を持った専門家の在籍する「教育研究所」では指導や相談が随時受けられること、卒業後の生活、就労、余暇支援を行う「同窓会『旭出あおば会』」で生涯支援を担っていること、なども本校の特色となっています。

     子どもたちが学校に在籍するのは、人生80年と言われている中ではほんの一部です。卒業してからのほうが長いのです。だからこそ、学校生活は、子どもたち一人ひとりの土台を作る大切な時間だと、私は考えています。まずは、身の回りのことが少しずつ自分でできるようになること、周りの人に手伝いを求められるようになることから始め、徐々に仲間を求めるようになり、大人よりも同年代の仲間と過ごすことを楽しむようになります。仲間からの刺激を受けながら、自分の得意なこと苦手なことを知っていき、自信の持てる事柄を伸ばして、そこをきっかけに将来進む道を考えていきます。学校は、そのような一人ひとりの成長に合わせて、適宜必要な学習や学びの場を作っていく場なのだと思います。歩む速度は一人一人違いますが、これまで旭出で過ごしてきた子どもたちは、みんなそれぞれの学校生活を送り、新たなステージへと進んでいます。

     私たちは、子どもたちからのメッセージを真摯に受け止め、教職員と保護者と手を取り合って、子どもが幸せな生涯を送れるよう、ともに歩んでいきたいと思います。

     本校に興味をお持ちの方は、いつでも見学や相談にいらしてください。お待ちしております。