2019.06.27

小学部 2号館のリフォーム

 梅雨に入り、スコールの様な雨降りだったり、晴天の夏日が続いたり、肌寒かったり戸惑いの多い季節になりました。各部の学校説明会やオープンスクールも終わり、高等部3年生は京都・大阪方面への修学旅行に出かけました。雨に降られず、金閣寺や清水寺を見学したり、USJに行ったり、夜はホテルで宴会をしたり、みんなで計画したことは一通りできたようです。盛り上がったのは最後の晩の宴会でした。台本を作って練習もしたコントや手品、歌等出し物が充実していました。ホテルの浴場は「世界の温泉」ローマ、ギリシャ、など趣向を凝らしていて、ウキウキ楽しんだようです。それぞれ思い出に残る旅行ができ、元気に帰ってきました。6週目を迎えた高等部2年のカリキュラム入寮生は、「入寮が終わったら、6月が終わるね。もう夏だね。」とカウントダウンしながら頑張っています。「入寮できた。」「友達と一緒に過ごせた。」「苦手なこともやれた。」「洗濯物干しが上手になった。」など一つでも「できた!」という自信がついたら大成功です。小さな自信が将来の自立への第一歩になっていくと思います。

 さて今回は「小学部 2号館のリフォーム」のお話です。この夏は2号館のリフォームを計画しています。まきの館、生活自立寮に続いての第3弾です。旭出学園(特別支援学校)の建て替え計画については、学園の教育方針や教育内容を検討しつつ、教職員からの意見やアイディアをアンケートで集約しながら大まかな青写真ができました。現在の建物を活用しながら、整備していくことになりますのでパズルのようにどこに何をはめ込んでいくかなどなかなか大変です。小学部については最終形としても現在の庭などは残していく方針です。今後、専攻科の校舎を建て、体育館を建て、3号館を3階建ての新校舎に建て替えて後、2号館小学部を建て替えるという先の長い計画になりますが、その時まで現2号館を少しでも快適な環境にするためのリフォームをします。

 私立学校の建て替えには公的支援がほとんどなく耐震などの一部分のみの補助金を頂くほかは、ほぼ自前の資金で行わなければなりません。老朽校舎に対する補助金は文科省や東京都にもお願いしているところですが、適用条件が厳しく、現時点では私学は自前で建替えざるを得ない状況です。私立特別支援学校の実情が広く認識されていないのが残念です。私学の必要性とその役割を遂行していることなどを知っていただく努力と要望はこれからもし続けていかなければならないと思いますが、現実にはまずやるべき事の優先順位とやれることを摺合せながら実行することになります。安全に過ごすためのドアや段差、階段の手すり、水場、更衣室の確保などなどできる範囲でのリフォームになります。計画当初は2階の研究所や会議室もリフォームの計画をしていましたが予算面で難しくなりました。少し前から北側にある資料室の整理を始めていますが、必要なもの、そうでないもの、処分すべきか迷うものを箱詰めしてこの際一度出すことにしました。創立当初からの貴重な資料もありますが、かつての創立記念行事や施設造りの資料などは処分しています。迷うものは三木記念館に移動し、記念館の整理をしてくださる津曲先生や野口先生に相談していきたいと思っています。三木先生が施設造りに尽力しご苦労されていたことは資料の量からもずしっと伝わりました。最近、三木記念館に保管してあった資料の中から、育成会の設立に影響を与え、手記『手をつなぐ親たち』の序文を寄稿されたパールバック女史から三木先生宛ての手紙が見つかりました。大事な書簡などももっとあるのではないかと安易に捨てるのが怖いという思いもありますが、スペースは限りがありますので、断捨離やむなしの心境でもあり、悩みの尽きない夏になりそうです。

 ということで、2号館は夏休み中に工事をすることになります。そのため毎年夏休みに小学部の庭を解放して行っていました、水遊びができなくなり、残念に思うお友達も多いと思います。今年は我慢してくださいね。9月にはきれいになった校舎でみなさんをお待ちしています。

もう恋し 昨夜の雷雨 濃紫陽花

                      2019.6.25