2025.08.19

つねづね草~元校長のひとり言~『夏期アフターケア報告』

 8月19日(火)は中学部高等部の登校日です。20日(水)から2泊3日軽井沢での夏合宿のための事前学習を行います。中学部の合宿のしおりには初日目佐久平ハイキング、二日目は飯盒炊さん、夜はキャンプファイヤー、三日目は群馬県立舘林美術館見学が主な活動計画です。高等部は、初日鉄道文化村、二日目はベルデの森ハイキング、三日目はネイチャークラブ、テニス、ゴルフの3グループに分かれて活動します。キャンプファイヤーは中高合同で行い、学部毎の出し物もあるようです。宿舎となるベルデ軽井沢は練馬区立の施設です。HPには「区立の小中学校の移動教室や中学校イングリッシュキャンプ、青少年育成活動などのための教育施設であるとともに学校利用以外にも広く区民のみなさまにご利用いただいています。」とあります。テニスコート、野球やサッカーのできるグランド、体育館が配置されています。周囲の国有林野では、トレッキングや野鳥観察、木の実や枝などを使った工作などの体験もできますので、それらの施設や活動を利用して浅間山麓高原の自然を感じながら過ごす夏合宿になると思います。朝晩は都内よりは涼しいでしょうし、活動を十分楽しんできてほしいです。

 長野県聖山の都立の郊外宿泊施設が閉鎖され、旅行会社にお願いして通常のホテルでの合宿を試みましたが、他のお客さんとの兼ね合いやホテル側の課題もあり、なかなか生徒に合う活動ができにくい時期がありました。練馬区在住の保護者と一緒に区にお願いに行き、公立学校が使用していない夏期の間に利用させていただくことができるようになりました。その時お力添えを頂いた保護者のみなさまに深く感謝申し上げます。

 さて今回は、「夏期アフターケア報告」についてのお話です。学校が夏休みに入り、卒業後3年までの卒業生、今年は令和4年5年6年度の卒業生33名とご希望のある方々の職場訪問をしています。一人ひとりの卒業生を訪問する担当がいますので、担当の職員がアフターケアを終え、記録報告が卒業生の個人ファイルに記されます。「○○さんの様子を個人ファイルに入れましたのでご確認ください」などの連絡が来ることで、全職員が卒業生の最近の様子を共有することができます。今年の私の訪問先は5ヶ所、8名の方々を訪問します。元担任や生涯支援部や進路担当の職員、または卒業生の実際の就労先を見学する目的の職員と同行しています。概ね安心できる状況ですが、心配な時はどのようなケアをすると良いか相談し、支援を検討します。現場で働く卒業生から学ぶことはとても多いのです。今年度も感激したことがいくつもありました。その一つですが、学校時代は文字が書けなかった卒業生が作業所での利用者さんたちに刺激を受けて自分の名前が書きたいと強く思うようになり、練習し、平仮名2文字が書けるようになっていました。学校時代も練習はしていたのですが、どうしても書きたいという意欲につながらなかったのでしょう。「社会人だから」「かっこいいから」書きたいと言っていました。学校卒業後の人生の方が何倍も長い訳ですし、やりたい、なりたいと思えることも多いはずです。そう思う時が身に付くチャンスなのだと思います。そこをちゃんと見ていて支援してくれる方々がいることが大事なのだと思います。うれしい気持ちで、自転車で学校に戻る途中、雷が鳴りはじめ、稲光がして同時に大粒の雨が降り出しました。全力でペダルを漕ぎましたが、武蔵関駅辺りでもうびっしょり。冷たい雨ではなかったのですが、雷は怖かったので、なるべく早くと急ぎ戻りました。全身ずぶ濡れの水も滴る「びじょびじょ」になりました。それでもうれしい気持ちは消えていませんでした。

にこにこで名前書けたと見せる文字ここのくるんが難しかった